一生に一度は行きたい屋久島の旅 ~縄文杉トレッキング編
屋久島は言わずと知れた世界自然遺産。世界遺産の中には「世界遺産ってほどでは・・・」とがっかりするものもありますが、屋久島は本当に世界に誇れる世界遺産だと思います。
その世界遺産屋久島で一番有名なのはやはり樹齢7,200年とも言われる縄文杉。
でもこの縄文杉、誰でも簡単に見れるものではありません。平坦なトロッコ道+山道を片道4時間〜5時間歩いてやっとたどり着ける山の奥にあります。
いきなり出鼻を挫いてなんですが、私は屋久島に行ったら絶対に縄文杉を見に行くべきとは思いません。縄文杉を見なくても、ヤクスギランドや白谷雲水峡で世界自然遺産屋久島を十分に堪能でき、屋久島固有のヤクザルやヤクシカにも出会えます。
ご自身や一緒に行かれる方の健康状態や体力、あるいは日程、天候などを十分考慮した上で、それでもやはり縄文杉トレッキングに挑戦しようと決めたら、楽しいトレッキングになるようしっかり準備しましょう。
服装・持ち物
縄文杉は標高1,300mにあるため、途中山を登り始めると気温がぐっと下がります。そのため服装はどの季節でも温度調整できるよう重ね着が基本になるかと思います。
私が行った3月中旬は山の上の方はまだ雪が残っていましたし、気温の低い早朝から歩き始めるので、一番外のレイヤーはほぼ冬の格好でした。ニット帽、手袋、マウンテンジャケット、トレッキングパンツ、厚手の靴下といった感じ。マウンテンジャケットの下はフリースとTシャツを着ました。
靴はずっと晴れていればスニーカーでも行けなくはないですが、雨が降る可能性もありますし、滑るところもあるので、快適なトレッキングのためには、やはりソールが厚いトレッキングシューズやハイキングシューズがいいと思います。
早い話、登山の格好をすれば間違いありません!
ということで、持ち物も登山のイメージで良いかと思います。
ヘッドライト
レインウエア
食料(お昼のお弁当、菓子パン、アメやチョコレートなどのおやつ)
水(途中水場があり飲み水が補給できるので大量に持って行かなくても大丈夫です)
水筒(真夏以外は暖かい飲み物を持って行くとほっこりします)
携帯電話
上記のものと上着や帽子などを脱いだ時に入れられるスペースがあるバックパック、バックパック用のレインカバー
お弁当は島のお弁当屋さんが早朝から営業していて、前日までに予約しておけば、朝受け取ることができます。また朝食付きのホテルの場合、事前に言っておくと朝ごはんをお弁当にしてくれるところがあります。別料金になりますが、朝ごはん用のお弁当とは別にお昼のお弁当も用意してくれます。私たちが泊まったJRホテル屋久島もお弁当対応がありました。お弁当を2食分持って行くものいかがなものかと思い、朝食はホテルの部屋でパンとコーヒーで済ませ、朝食代わりのお弁当を昼食にしました。
また、長時間のトレッキングで水筒に入れた温かい飲み物は早々に消費してしまうと思ったので、途中で温かい飲み物が飲めるよう、缶コーヒーを温められるパックも持参しました。これ、結構おすすめです。非常時にも役立ちますしね。
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ヘッドライトはたとえ明るくなってから出発する場合でも、とにかく山の奥に入って行くことを考えて持参しましょう。本格的に登山に取り組もうと思っている方以外は安いもので十分だと私は思います。私が実際に使ったのは次のものですが、これで富士登山も縄文杉トレッキングも特に問題ありませんでした。
ジェントス リゲルヘッドライト 【明るさ45ルーメン/実用点灯8時間】 GTR-931H
トレッキングポールは、富士山に登った時はあってよかったと思いましたが、縄文杉トレッキングでは、トロッコ道でも山道でもうまく使えない気がしますので不要かと思います。
行き方
縄文杉トレッキングは、荒川登山口というところがスタート地点になりますが、3月〜11月は一般車両の乗り入れを規制しているため、荒川登山口まで直接レンタカーで行くことはできません。
まず屋久杉自然館まで行き、そこに車を停めて荒川登山バス(有料)に乗ります。駐車場は広く、無料です。
バスは朝5:00に1本目が出ますので私たちはこのバスに間に合うように行きました(夏はもう1本早いバスがあるようです)。ギリギリだと乗れないかもと焦るので、気持ち早めに着いておくと安心。バスのチケットは到着日に観光案内所などで先に購入しておきましょう。
3月中旬の朝5:00はこのように真っ暗です。
屋久杉自然館から荒川登山口までバスで30〜40分ぐらいかかります。
トレッキングコース
荒川登山口でヘッドライトなどを準備していよいよ歩き始めます。
縄文杉トレッキングは基本的に一本道、しかも途中までは昔木材運搬のために使っていたトロッコの線路の上をひたすら歩くので、よほどのことがない限り迷わないと思います。
でも3月中旬の早朝は凍っているところもあり、また手すりのない橋が早々に出てきますので、いきなりアドベンチャー気分になります。
トロッコ道、かなり長いです。所々ベンチや休憩スペースがあるので、焦る気持ちを抑えて休憩しながら進みましょう。
トロッコ道はなかなか絵になるので写真撮影も忘れずに。
こちらはトロッコ道の途中にある三代杉。その名の通り同じところに三代に渡って育った杉とのこと。屋久島では倒木の幹や伐採された切り株から新たな芽が出て、それが大きく育った杉がたくさん見られます。自然の生命力、森の息吹を感じます。
トロッコ道が終わるといきなり山登りになります。この山道への入り口まで大体2時間半ぐらいです。まずはここに水栓トイレもある休憩所がありますので、山道に備えてしっかり休憩しましょう。
木の階段を上りながら山道に入ったら、まずはウィルソン株を目指します。ウィルソン株は樹齢2,000年以上と目される大きな切り株で、中に入ることができます。そして中のあるポイントから上を見上げるとハートの形に見えるときめきスポットです。
ちなみに山道にはハート型の石もあったりします。
この石、見つけた時は「おー」と思いましたが、一つや二つではなく、結構いくつもありました。何かの理由でこういう形に自然となるのでしょうね。
ウィルソン株からさらに歩いて行くと立派な屋久杉が次々出てきます。屋久杉という杉の種類があるわけではなく、樹齢1,000年以上のものを「屋久杉」と呼んでいるそうです。確かに1,000年も自然災害に耐え、人に伐採されることもなく生き続けている杉は特別扱いしてあげたいですよね。
大王杉は縄文杉が見つかるまでは一番大きな屋久杉と言われていたそうです。推定樹齢3,000年。3,000年前の屋久島はどんな感じだったんでしょうね。もしかして森は今とあまり変わっていないのかもしれませんね。
雪のある山道を進んで行きます。所々、このように木の歩道が整備されていますが、これがまた滑る・・・。
こちらは2本の杉が合体した夫婦杉。結婚5周年の記念旅行の私たちは、もちろんこちらの夫婦杉と一緒に記念撮影。私たちもこの杉と同じぐらい長く幸せに・・・。
いや、推定樹齢が夫の方が2,000年、奥さんの方が1,500年以上の杉とのことなので、ちょっと同じぐらいは無理ですね。まあ、それぐらいの気持ちでということで。
夫婦杉までくれば、縄文杉はもう少し。
木で作られたデッキを上がると、そこにありました、縄文杉!立派だー!
私たちが一番手という訳ではなかったと思いますが、周りには誰もおらずゆっくりと見ることができました。
この縄文杉、実は推定樹齢が3,000年とも7,000年とも言われていて、実際の樹齢はわからないそうです。推定樹齢に幅がありすぎではと思いましたが、まあ、3,000年でも7,000年でもものすごく古いことに間違いはないですね。
縄文杉でUターンせず、少し先に行くとトイレがある休憩場があります。そこでトイレを済ませ、お昼ご飯は、縄文杉と休憩場の間にあった東屋で食べました。お昼ご飯を食べていると、1頭のヤクシカが挨拶しにきてくれました(と勝手に思ってしまいます)。
帰りは少し余裕を持って山の植物を見たり、人が住んでいた頃の様子が説明されている看板を読んだりしながらゆっくり戻ってきました。
結局、縄文杉トレッキングにかかった時間は、休憩時間も入れて往復9時間弱であったと思います。私たちは歩くペースが早い方だと思いますので、少なくても9時間、ゆっくり歩かれる方で10時間程度の時間はみておくべきでしょう。早朝から歩き始めるのはとても気持ちがいいので、頑張って早起きしてチャレンジしてください。
またバスの時間など変わっているところもあるかと思いますので、次のサイトで最新の情報を入手してくださいね。